ミイラと葬制

2010年1月18日 (月)

テレビ局がミイラ志願者を募集?

久しぶりにミイラの話題です。イギリスの放送局がなんと! ミイラ化処理の実験台になってもよいという末期症状の病人を募集しているという話。果たしてこの企画、実現するのでしょうか?

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チャンネル4が死後のミイラ化を志願する末期症状患者を募集中

イギリスの放送局チャンネル4が、テレビ番組向けに自らの遺体を提供してくれる末期症状の患者を探している。

古代エジプトでは遺体にミイラ化処理を施すことで亡くなった人は死後の世界に到達できると信じられていたが、この番組はそのミイラ製作の様子を再現しようというもの。

計画に興味があり、連絡をとってみたいという末期症状の患者を募集する広告が打たれていて、同局は「研究者で遺体提供者を紹介できる方があれば、本局は妥当な手続きをとらせていただきます」と書いている。

このプロジェクトは制作プロダクションのフルクラムTVが企画したもので、まだきわめて初期の段階にあり、関係者の見方によると実際に採用されるかどうかは未定とのことだ。

企画案が表面化したのはフルクラムTVのエグゼクティブ・プロデューサー、リチャード・ベルフィールド氏が志願者を装って取材した覆面記者に話したことがきっかけだという。

報道によると、同氏はミイラ製作の手順がわかるようにするため、必ずというわけではないが、遺体を博物館に陳列する方向で企画を進めていると話したとされる。

実はチャンネル4が死や人体を主題にとりあげるのは、これが初めてではない。2002年に170年にわたる英国放送史上で初めて死体解剖を公共の電波に乗せたのも、やはり同チャンネルだった。

出典: http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/8453000.stm  2010111

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2009年3月31日 (火)

太陽光線の100億倍の明るさのX線でミイラを分析

今回はミイラの研究技術の話題です。スキャニングの技術は日進月歩で、どんどんミイラを丸裸にしていきます。

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太陽光線の100億倍の明るさのX線でミイラを分析

太陽光線の100億倍もの明るさのある英国のX線技術を使えば、ミイラなど古代遺物の内部の分析が可能に。

マシュー・ムーア

 

ビームラインという新しい装置を使用することで、科学研究者や考古学者は大きな物体の内部を透かして観察し、中に何があるか、どのようにして作られたかを研究することができるようになる、とタイムズ紙が報じた。

大英博物館所蔵のエジプトミイラのうち3体が、オックスフォード州にある科学研究施設「ダイヤモンド・ライト・ソース」に設置されたJoint Engineering, Environmental and ProcessingJeep=ジープ)というビームラインを使用する初めての研究対象となる予定だ。

大英博物館のジャネット・アンバース氏は同紙の取材に対し、「この装置を使えばミイラの製作に用いられた技術や素材を解明する手掛かりになるでしょう。さらに19世紀に補修が行われた際にどのような方法がとられたのかもわかります」とコメントしている。

「この装置を使えるようになるのはとても楽しみです。当館の所蔵品をこれまでにない新しい方法で観察することができますから」と同氏。

ジープ・ビームラインによる研究の実績がある科学者、ジェン・ヒラー氏によると、考古学者はこの装置を使えば研究対象を傷つけることなく古代の遺物の謎を解くことが可能になる、という。

ダイヤモンド・ライト・ソースには他にも強力なX線装置があるが、それではもっと小さな物体しか扱えない。

「今までは大きい遺物をこれほど精確にスキャンして映像化することはできませんでした」と同氏。

大英博物館のプロジェクトに関して言えば、「ミイラの内側にあるものが映像になって見える可能性があります。エジプト人はミイラの中にいろいろなものを隠していることが多いのですが、石棺やミイラの覆いの内側にあるものはとても壊れやすいのです」とのことだ。

ダイヤモンド・ライト・ソースはオックスフォード州ディドコット近郊に位置し、2007年にオープンした総額26億ポンドの研究施設だが、ジープ・ビームラインは同施設が作り出した強力なシンクロトロン光源を備えている。

出典: http://www.telegraph.co.uk/   2009年2月17日

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2009年3月25日 (水)

イランの「ソルトマン」の保存方法についての議論

今回は「イランのミイラ」と称される古代の塩漬け遺体の話題です。果たして時代を越えて「生きのびる」ことができるのでしょうか。

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イランの「ソルトマン」にしのび寄る危機

テヘラン・タイムズ文化部

テヘラン発:古代のイラン人「ソルトマン」が危機的状況に。

 

ペルシャの通信会社CHNが今週水曜に報じたところによると、イランのミイラと呼ばれている6体の塩漬け遺体(ソルトマン)は、いずれもザンジャーン近郊のハムゼフル地方にあるチェル・アーバード塩山でここ12年のあいだに発見されたものとのことだ。

ザンジャーンのゾルファクァリ博物館に保管されている4体目のソルトマンを調査したところ、遺体は2,000年前のもので、死亡時の年齢は15歳か16歳であることがわかった。この博物館には他に3体のソルトマンが保管されている。

これらのミイラの保管用に設計されたプレキシガラスのケースは密閉が完全でない。気温や気圧の変化によってケースにひびが入り、バクテリアや虫が侵入し、ミイラを脅かしている。

4体目以外のソルトマンがいつの時代のものなのかはまだはっきりしていないが、考古学者の推定によると、1体目のソルトマンはおよそ1,700年前の人物で、死亡時の年齢は35歳から40歳である。このミイラは現在テヘランのイラン国立博物館でガラスケースに納められて陳列されている。

イラン国内には保存に必要な機器が不足しているため、6体目のソルトマンは発見された場所にそのまま置かれている。

「ソルトマンを専用の保管用ケースで保存するというのは全然当たり前のことではありません」と話すのは、チェル・アーバード塩山の考古学調査を監督するアボルファズル・アーリ氏だ。

「ケースはどんなものでも問題ありです。4体目のソルトマンのケースには内部の湿度をコントロールするために、たくさんの管が差し込まれています。しかしケースにひびが入れば、それも台無しです」と同氏はつけ加える。

「発掘後から特に外見上の変化が見られるわけではありません。しかし見た目に変化はなくても、内部組織にバクテリアが侵入し、大きなダメージを与えています。軽く調査した程度ではわからない問題なのです」というのが同氏の説明だ。

プレキシガラスのケースはイラン考古学研究センター(ICAR)出身の専門家、マニジェ・ハディアン氏の監修を受けて設計・製作されたものだ。

「いちばん性能のよいケースは4体目のミイラのために作られたものです。それでも一時的な保管にしか使えないものです」と同氏。

ひびはケースを何度も移動させたためにできたものだと同氏は考えている。

ミイラたちは当初ザンジャーン州のラクトシュイカネフ博物館に保管されていた。ソルトマンを永久保存するケースをつくるための研究はすでに完成しており、装置をつくるための資金を集める必要があるそうだ。

1体目のソルトマンはイラン国立博物館に保管されています。発見から12年が経過していますが、特に変わった様子はありません」と同氏。

「温度や湿度、光量などの物理的条件を監視し、コントロールしてやることが、一般的にミイラを保存するうえでの必要事項です。そうした条件さえうまくコントロールできれば、文化遺産の保存には何の問題もありません」

4体目のソルトマンのケースにはデジタルの温度計が設置されており、ゾルファクァリ博物館の研究員には何か変化があればICARの専門家に連絡するように指示がしてあるという。

 

ところでアーリ氏によれば、長い目で見た環境の整備はザンジャーン州当局が行うべきものだそうだ。

「博物館には湿度管理のためにヒーターが設置されています。しかし博物館の中の大気の状態を思い通りにコントロールすることは不可能ですし、じっさい雨期や夏期には温度がかなりの幅で変化します」と同氏。

「ミイラが簡単に腐ってしまうことはありません。大気の状態をうまくコントロールすれば、ソルトマンを無傷のまま保存することができるでしょう。ただ現状の保管方法では長期的に見るとあまり効果的ではない、ということです」というのが同氏の意見だ。

出典: http://www.tehrantimes.com  2009年2月14日

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2009年3月12日 (木)

古代エジプトのリサイクルブーム

「おくりびと」がアカデミー賞を受賞し、「悼む人」がベストセラーになっています。今日からミイラの最新ニュースをとりあげますが、考えようによっては、ミイラにするというのは究極の「悼み方」なのかもしれません。

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エジプトのピラミッドに再利用の形跡

科学的調査により第6王朝期に建設された陵墓がほぼ2,000年後に新しいミイラの安置場所として再利用されていたことが判明

Thomas H. Maugh II

2009214

 

エジプトでは、ピラミッドでさえリサイクルされることがある。

同国の考古最高評議会に所属する考古学者が今週語ったところでは、第26王朝期のミイラ30体の隠し場所が、それより2,000年近く前の第6王朝期に建設された陵墓の中に作られていることが判明したという。第26王朝はペルシャなど外国からの侵略を受ける前の、エジプト人ファラオが統治した最後の時代だ。統治者にとっては大規模な陵墓の建設に必要な労働力を確保するのが次第に困難になってきた時代でもあった。

6王朝期のピラミッドはセネジェムという男のもので、実はマスタバ墓とよばれ、後にピラミッドに発展するもっと単純な形式である。この墓はカイロの南12マイルに位置するサッカラにあり、古王国の首都メンフィスで暮らしたエジプトの支配者のほとんどは、ここサッカラを終の棲家としている。

新しい隠し場所は第26王朝期に墓の側面にうがたれた36フィートの深さの竪穴の奥で見つかった。同評議会長官で調査を指揮したザヒ・ハワス氏によると、壁のすきまや棚の上から24体のミイラが発見された。そのうち子供のミイラが数体、犬のミイラが1体あった。いずれも腐敗がひどく、埋葬前に適切な処理が施されなかったものと考えられる。

調査隊は良質の白大理石でできたサルコファガス(石棺)2個と、木の棺4個も発見している。サルコファガスのうち1つはまだ封印が解かれていなかった。ハワス氏によれば、その棺を開くと、麻布を巻き樹脂で処理するという第26王朝に典型的な方法でミイラ化された遺体が出てきた。包帯のあいだから副葬品が出てくる可能性があり、CTスキャンのために一時的に運び出すこともありうるとの話だ。

棺の調査から、葬られたのはジェフティ・セシュ・ヌブの息子、イル・ルの孫にあたるパディ・ヘリという人物であることがわかった。この人物の身分に関する情報はないが、テーベ産大理石の石棺に入れられていることから、富裕層だったことは間違いない、とハワス氏は述べている。

出典: http://www.latimes.com/  2009年2月14日

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