千川上水遡上編 その1
千川上水を豊島区と練馬区の区境付近から分水口までさかのぼってみました。
都会とは思えないのどかさで、青葉の季節の散策にぴったりです。撮影は2012年5月13日(日)。
豊島区から練馬区に入ったところ。この付近から江古田分水が南へ分かれ、江古田川から妙正寺川に注いでいました。
武蔵大学構内を流れる濯川(すすきがわ)。かつての中新井分水です。
濯川。南側(右手)には大学のグラウンドが広がっていて、球音が響いています。
練馬駅前、筋違橋跡。かつては千川がここで屈折し、清戸道(都心部から現在の清瀬方面に向かう道)の下をくぐっていました。
中村不動尊。かつて中村橋のたもとに祀られていたお不動さん、現在は数十メートル下流の中村分水跡に移動しています。
中村不動尊の南側に続く中村分水跡。細い道ながら両側に並木が植えられています。
中村橋跡。面影はまったくありませんが、駅名に名を残しています。武蔵高校が1939(昭和14)年に行った調査で「此の辺の千川は大層深くV形をしている、底は主として赤土、幅は五米もあると思う。両堤に桜が植えてある。」と報告されているそうです。(豊島区教育委員会、千川上水探訪マップ、1996年より)
九頭竜弁天。数十メートル上流にあった九頭竜橋の袂から移動してきました。
九頭竜橋跡。川はここで45度ほど屈折しています。
長命寺道標。三兵橋跡です。長命寺はこの道標に向かって左の方向にあるので、元は道の向かい側にあったことがわかります。
千川上水橋梁。西武新宿線上井草駅の西側にある踏切の下を千川が流れています。鉄道敷設にあたって鉄橋を短くするため、流路がS字形に曲げられたようです。
現在は上流の千川上水緑道で道路整備工事をしているため、水は流れていません。
西武新宿線上石神井車庫区の南側で、直交する谷を渡るために土手が築かれていて、水はその上を流れています。これを築樋(つきどい)といいます。道路から一段高くなっているのがその部分です。
上石神井の給水塔。江戸時代につくられた上水道のほとりに、近代的な給水塔が建っているのが興味深いところです。
上石神井駅の西側をまっすぐ南下したところにある庚申塔。立野橋跡です。「地蔵うどん 六義亭」といううどん屋さんの一角にあって、かつては一帯の湧水でうどんを打っていた、と書いてあります。
千川上水緑道。道路整備のため掘り起こされていて、現在では全く上水の痕跡はありません。したがって、ここから下流への放流は行われていません。
伊勢殿橋跡。青梅街道との交点です。バス停の名前は「水道端」。
ここから上流は現在でも開渠のままで、鈴木都政下の1986年に行われた「清流復活事業」で水流が復活しています。
| 固定リンク
「旅」カテゴリの記事
- 富士山六態(2013.12.02)
- 大井町に残るいにしえの東海道、鎌倉道(2013.07.13)
- 鎌倉街道 中道(西回り)をたどる旅 その1(2013.06.11)
- 千川上水遡上編 その2(2012.05.27)
- 千川上水遡上編 その1(2012.05.20)
コメント
散歩してみると、意外な発見があっておもしろいですね。
自分は鉄道ファンなので、あまりそういうことには興味がないのですが、おもしろそうだと思いました。
投稿: 富岡製糸場 | 2012年5月24日 (木) 22時09分