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2011年8月

2011年8月26日 (金)

奈良の名園、依水園

何年も前から行くたびに休園で入れなかった奈良、東大寺西隣の「依水園」に、ようやく入ることができました(撮影日:2011年8月17日)。

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江戸時代につくられた前園の池。睡蓮が水面を覆っていました。

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中の島から見た池畔。

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三秀亭の前から入口と茶室、清秀庵方面を見る。

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庭の横を流れる吉城川(よしきがわ)からの水の引き込み口。

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茶室、挺秀軒。踏み石の意匠がおもしろい。

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明治に作庭された後園の池。東大寺の南大門と若草山を借景にした有名な景色。中央の築山は芝生に覆われていて、明治時代の庭らしい開放的な感覚があります。

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2011年8月25日 (木)

インドに根強く残るフクロウを使った黒魔術

今回は久しぶりにフクロウの話です。インドや中東でフクロウの違法売買が増えているという話は前にも書きましたが(フクロウ・ブームは密猟を呼ぶ)、今回もすごい話です。もちろん現代の話。

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インドではフクロウが魔力を持つという信仰やポップ・カルチャーの台頭が原因で、フクロウの違法売買が急増中

マ・ラクシュミ


インド、ウッタル・プラデーシュ州、メーラト発

インド北部の都市メーラトに住むメフムード・アリ氏は、昼は大工、夜は呪術師をしている。本人によると、心配事や不眠で悩んでいる人を治療し、呪いを解き、運気を向上するのが仕事だという。

同氏は50歳、気さくに話してくれたところによると、治療の儀式を厳かにして効果を増すためには、フクロウの体の一部を使って儀式を行う必要がある。インドでは1972年からフクロウの売買が禁止されているが、こうした儀式のための違法売買は、あいかわらず国内各地で密かに行われているのだ。

メーラトはニューデリーの北東45キロのところにある工業都市。中心部のにぎやかな通りには小さく薄暗い店が無数に立ち並んでいて、かごに入れられたペット用の鳥が数種類売られている。その中にフクロウはおらず、店主に尋ねてもフクロウは扱っていないという。だがアリ氏の話では、彼がフクロウを買ったのはここで、値段は1羽が250ドル相当、爪と羽根は20ドルそこそこだったという。

世界自然保護基金(WWF)がインドでのフクロウの違法売買の実態を18年にわたって調査し、先月発表した「窮地に立たされた夜の見張り番」と題する報告書には、「フクロウの体や体の一部は、もっぱら黒魔術の儀式に用いられる」という記述がある。インド亜大陸には32種のフクロウが生息しているが、こうした儀式用としていちばん人気があるのは、直立型の耳羽を持つフクロウか、羽毛の束を耳のように立てることができるフクロウだという。前者の例としてはベンガルワシミミズクが、後者の例としてはミナミシマフクロウが代表的だ。インドでいちばんよく見かけられるインドコキンメフクロウには耳羽がないので、羽毛に液状の樹脂を塗り、耳羽があるように見せかけて売ろうとする者までいるという。

フクロウを欲しがるのは部族社会で暮らす人々ばかりではない。都市生活者もフクロウを必要としている。部族社会には迷信深い人が多く、生きたフクロウと死んだフクロウを両方使って邪悪な霊を払おうとする。いっぽう都市では呪術の儀式を行う者や、いわゆるタントラ教の道者がフクロウを買おうとする。人々はこうした霊能者に財産や精神、仕事などに関するありとあらゆる問題の解決を依頼する。ひどい場合には他人を呪ったり、人からかけられた呪いを解いてほしいという依頼をすることさえある。

「フクロウは鳥の王様で、すごい力を持っています。フクロウの爪に呪文を唱えて魔力を宿らせると、それで不眠を直し、不安感を和らげることができるんです。胸の羽毛に呪文を唱えて魔力を宿らせると、今度はフクロウが夢枕に立って、どうすればいいか教えてくれますよ。それと敵をやっつけたくなったら、血と骨が効果抜群です。」アリ氏はキンマの葉を噛んで赤黒くなった歯を見せながら、誇らしげにこう語った。同氏は夜になると、川のほとりで生きたフクロウに向かって何時間も呪文を唱える。そうすることで鳥の体が祓い清められて、不思議な癒しの力を持つようになるのだという。

インドの環境大臣ジャイラム・ラメシュ氏の話によると、インドでは親にペットとしてフクロウを買ってもらう子供が増えてきているそうだ。本と映画で大人気のハリー・ポッターが、ヘドウィグという名前のフクロウを飼っているからだ。「都市に住む中間層の人たちまで子供にフクロウを買ってやりたがるのは、実に奇妙なことです」と同氏。

1997年にアメリカの鳥類学者ベン・F・キングとパメラ・C・ラスムッセンが絶滅したと思われていたモリコキンメフクロウ(Athene blewitti)を発見して以来、インド国内ではフクロウの生息実態を調査しようという機運が高まってきている。

「インドではフクロウに関する科学的な生態調査は行われていません。ただし鳥類学者の報告によると、フクロウの生息確認回数はこの20年でかなり減ってきています」と話すのは、野生動物の取引を監視するWWFの出先機関、トラフィックのインド支部長、サミール・シンハ氏だ。「インドのフクロウに脅威となっている要因は2種類あります。1つは樹齢の古い木のある森が減って、生息地が限られてきていること。もう1つはあまり知られていないけれどもたいへん大きな要因、つまり人間の迷信なのです。」

同氏によると、警察が密輸されるフクロウを押収した事例から、インドが隣国のネパールやバングラデシュに大量のフクロウを輸出していることがわかるという。これらの国々では、インドと同じような儀式にフクロウが使われるのだ。「インドやネパール、バングラデシュ、マレーシア、タイではフクロウやその体の一部がよく押収されるんですよ」と同氏。

フクロウには得体の知れない恐ろしい力があるという考えは世界各地にあり、そのこともこの地域の違法売買の増加に一役かっている。フクロウは富と旅の安全を司るヒンズーの女神ラクシュミの乗り物であり、富をもたらす存在として多方面で崇拝されている。夜行性であることから、霊がもたらす秘密のパワーや死と関係づけて考えられているのだ。

前記したWWFの報告書には、「フクロウをはじめとする数種の鳥は高価格で売買されている。黒魔術に使いたいからという特別な要請があった場合だけ顧客の前に持ち出され、多くの場合顧客の家に直接届けられる。そのため売買の証拠が残らず、売られた鳥は誰ひとり知らないまま犠牲になっていく」とある。

同報告書では他にも、フクロウの価格が2008年までの6年間で最大10倍にまで高騰したこと、インド国内にはフクロウを売る店の集まっている場所が最低でも50カ所あるということが報告されている。執筆した鳥類学者のアブラール・アーメド氏によると、価格の高騰はフクロウの生息数が減って捕獲が困難になったこと、売買が禁止されたことが原因だという。

「フクロウを使った儀式を扱う『フクロウのタントラ』という本には150種類近い儀式が載っています。フクロウの体の実に多くの部分が儀式に使われるので、フクロウの数はどんどん減って、ますます生存を脅かされています。フクロウの涙や卵の殻を使った儀式まであるんですよ。こういう類の迷信にすがるのは不安感を払拭したい人が多いからなのです。小さな町の新聞には毎日必ず黒魔術を施しますという三行広告が載っていて、都会生活の不安がなくなり、失業中の人は職が見つかり、病気が治ります、と謳っているんです」と同氏。

インドでは11月にディワリというヒンズー教最大の光の祭りが開かれるが、この祭りの前には女神ラクシュミに捧げられるフクロウの数が急増するという。部族によって料理や薬にフクロウの卵や眼球を使うところもあり、またフクロウの肉は媚薬になると考えられている。フクロウを使った大道芸をする芸人もいるし、裁判所の外で評決を待つ人々にフクロウの体の一部を売る者までいる。

冒頭で紹介したアリ氏は最近、儀式を執り行うために生きたフクロウを買った時のことを思い出した。その日の夜、フクロウの親が夢にあらわれて、自分たちの子を殺せばよくないことがおこると告げたのだ。

「親フクロウはこう言ったんです。私たちの子どもにひどいことをしたら、お前の子にも呪いをかけてやるぞ」と同氏。

アリ氏は翌朝、フクロウを森に放したという…。

 

出典: http://www.washingtonpost.com  2010年12月6日

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