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2009年9月18日 (金)

DNA解析によるフクロウ研究

今回はオーストラリアのメルボルンから。オーストラリアにはパワフル・アウルというすごい名前のアオバズクが生息しており、その大きさは日本のアオバズクの2倍もあります。大きくてもなかなか目にすることのできないこの鳥の生態を、DNA解析で研究しているという話題です。

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帽子に落ちてきた羽根でフクロウを研究 

ブライディ・スミス

 

メルボルンに生息するオニアオバズクの夜の生活が、研究者たちの努力で明らかになりつつある。このフクロウはなかなか姿を見せないことで有名だが、この鳥が落とした羽根をDNA指紋の鑑定に使って個体を識別することで、オニアオバズクという鳥とその生態が次第にわかるようになってきた。

 

ディーキン大学のフィオナ・ホーガン博士の手にかかると、犯罪捜査官がヒトの髪の毛を分析して犯罪者を特定するのと同じ方法で鳥の羽を分析し、ある鳥に固有のDNA指紋を識別し、種やオスメスの別はおろか、個体まで特定することが可能だ。そうした手法で得られた情報を使うことで、オーストラリア最大のフクロウであるオニアオバズクの分布や移動のパターンをマッピングしたり、鳥の夫婦が初めてつがいを形成したのがいつかを確認したりすることができるという。

ホーガン博士によれば、同氏はワランダイトでフクロウのつがいを発見し、そのDNAを解析することで、2羽の鳥が1995年からつがいを形成していたことをつきとめたという。同氏はこのDNA解析技術を使って5組のつがいのヒナの行動を3年にわたって追跡し、巣立ち後の行動を明らかにしたそうだ。

「これはフクロウの一生を通じての繁殖活動を科学的に解明した初めての事例です」と同氏。これまでのところ、同氏はメルボルンに生息するオニアオバズクのうち56羽の「指紋」を記録している。そのほとんどはヤラ川やその他河川の河口周辺の緑地帯、あるいはフラッグスタッフ・ガーデンズやセント・キルダ植物園に生息している。

同氏の研究で、都市域に生息するフクロウは概してブッシュに生息するものより互いの類縁関係が近いという事実も判明した。要するに、都市域に生息するフクロウには遺伝的多様性が少ないということになる。

「生息環境を十分に与えてやらないと、都市に生息するフクロウたちは互いの遺伝子の類似性が高くなりすぎる可能性があります」と同氏。「メルボルンに生息するオニアオバズクは、イースト・ギプスランドに生息するものより互いに近い類縁関係にあります。それはイースト・ギプスランドでは生息環境がメルボルンほど断片化していないからなのです。」 

出典: http://www.theage.com.au  2009年6月9日

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