アナホリフクロウが今度は建設現場に
さて、先日は野球場の外野部分に営巣したアナホリフクロウの話題をお伝えしましたが、今度は建設現場です。名前までつけてもらって、大切にされているようですね。
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アナホリフクロウの夫婦が建設現場に営巣
デネス・ハスティ
ケープ・コーラル警察の新本署ビルには、既に入居者が住んでいる。だが実はこのビルはまだ建設中で、完成するのは6月のことだ。191億ドルもの建設費のために働いている作業員たちは、住民であるサージェント・ピーパーズ氏とミセス・ピーパーズ氏の2人が家でくつろげるように、あらゆる努力を惜しまない。
その住民とは実は鳥である。鳥といっても悪いことをして逮捕された鳥(jailbird=囚人)ではない。文化公園通りとニコラス通りの交点にある騒がしい建設現場で抱卵をしている、アナホリフクロウの夫婦のことだ。
「これは人と鳥の心温まる協力の例ですよ」と話すのはアナホリフクロウの保護を長く訴えてきた市議会議員のドローレス・ベルトリーニさん。彼女は主役となっているフクロウ夫婦の名づけ親だ。市の職員で建設プロジェクトの管理を担当するオリバー・クラーク氏によれば、親フクロウと卵を守るため、作業員たちは巣の周囲に立入禁止区域を設けた。またフクロウの営巣空間を確保するため、排水管の移設が進められており、ビルの前庭の設計変更が計画されている。フクロウに便宜を図ったからといって建設費用が増えるわけではない、と同氏は話す。
アナホリフクロウが正式な市の鳥になっていて、先週「アナホリフクロウ祭り」が開催された街の話題として、これはまさにぴったりの話であるように思える。ケープ・コーラル野生動物友の会会長のパスカ・ドナルドソン氏によると、アナホリフクロウは体長7から10インチ、翼開長22インチ、重さ6オンスで、名前からもわかる通り自分で掘った穴に営巣する。アメリカ国内の生息数は推定10,000羽。ケープ・コーラルには1,300もの巣があるが、何羽が市内に生息しているかは不明だという。
このフクロウは州と国の法律で保護されている。クラーク氏によると、昨年秋には営巣主のいないアナホリフクロウの巣穴を3つ除去してもよいという許可が出た。市はこれらの鳥のために市役所の敷地内に新しい巣穴を掘ったが、今のところそこに営巣しているフクロウはいない。ところが4つめの巣は営巣主が毎年使っているものだと考えられ、予想通りサージェント・ピーパーズとミセス・ピーパーズが数週間前に戻ってきて、巣を構えた。
ベルトリーニ氏によると、アナホリフクロウはふつう何年も連続してこの季節に同じ巣に戻っては、繁殖期のあいだに抱卵し、ヒナを育てる。この夫婦ももちろん警察署に永住するだろう。
巣穴は建物の入口にあたる敷地の北側にある。フクロウたちは毎日横を歩いて通る何十人もの作業員や、敷地一帯で働くトラックや建設機械に、特に動じる様子はない。そう話すのは、この警察署の建設にあたるバルフォア・ビーティ建設の施工責任者、デニス・レモンズ氏だ。鳥たちは巣を自分好みに模様替えするのに余念がない。「鳥たちは巣を金属片やヒモで飾りたてています」と同氏。飾りつけをしていない時は、「立って作業員を見つめているだけ」だそうだ。ベルトリーニ氏によれば、これは巣を見張っているのだそうだ。
「オスは巣の前で巣を守っています。そこにくる者を見張っているのです」と同氏。2005年に市議会にアナホリフクロウを市の鳥にしようと提案したのは、他ならぬこの人だ。鳥たちは捕食者の目を欺くために、廃材を巣の周囲に積み上げるらしい。
フクロウを引っ越しさせたからといって警察署の建設スケジュールが狂うわけではない、とクラーク氏は話す。ビルはスケジュール通り6月末までには完成し、7月からは新しく本署の仕事が始められる見込みだ。「これは建設業者と自然が共生できる証拠ですよ」とドナルドソン氏は話している。
出典: http://news-press.com 2009年3月1日
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