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2009年3月 2日 (月)

ハワイの火の神の遣い、プエオ

今日はハワイで神の遣いとされているコミミズクの話です。神話が現代の体験談とオーバーラップしていて、興味深いものがあります。

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プエオとその不思議な力


ステファノ・ビスカリ談、2001415

Photo_4 

ハワイの草原の上を飛ぶプエオ(写真 服部祐三)

私はもう20年近くハワイのマウイ島に住んでいるが、プエオ(ハワイのコミミズク)は私の「アマクア」(祖霊・守護神)になってくれただけでなく、文字通り命を救ってくれた。

私がマウイにやってきたのは1981年、当時私はカナパリビーチにあるリゾートホテルでシェフをしていた。ハワイでの生活はとてもお金がかかった。私は副収入を得ようと、島の反対側にあるワイルクのマウイ・コミュニティー・カレッジで上級調理コースの指導を始めた。

スケジュールはとても厳しく、朝の2時にホテルでの仕事が終わったとしても、翌朝730分までにはワイルクにいなければならない。ワイルクまでは車で35分の道のりだが、海岸に沿った2車線のハイウェイで、崖をトンネルで縫うように走る美しい道だった。隣あう島の溜め息の出るような景色が見え、季節によっては繁殖期のクジラが年に1度の回遊をしてくる様子を眺めることもできた。

言うまでもないことだが、睡眠不足と過労の続いた状態で毎日運転するのはとても危険なことだ。そんな働き方を2年半も続けていたのには理由があり、1984年の夏をフルに使って行く予定の、ヨーロッパ旅行の費用を貯めるためだったのだ。ある日の午後、私は午後の行事に参加するため、いつもより遅くまで学校に残っていた。家路についたのは、もう暗くなり始めた頃だった。トンネルがいくつも続くところにさしかかった頃、私はへとへとになりかけていた。トンネルを抜けると道は下り坂にさしかかり、海面の高さまできて平坦になる。右側にはキアヴェの森があり、地元の人がキャンプファイヤーで使うために切り出した薪がところどころに積んである。左側には雨季になると赤い泥土が流れ込んでくる、キアヴェの並木に沿った白い砂浜がある。ホノアピラニ・ハイウェイのこの辺りで起こった出会い頭の正面衝突事故の話を、何度も聞いたことのある方もおられることだろう。車はこの中央分離帯もない2車線のローラーコースターのようなハイウェイを時速120マイルでぶっ飛ばすのだ。

私を乗せたジープはセンターラインを越えて赤い泥土やキアヴェの木、岩がちな海岸の方へ向かっていった。私はハンドルを握ったまま居眠りをしており、気がついた時には命は風前の灯火だった。

ジープが反対車線の路肩に近づいた時、何か真っ赤なものがフロントガラスに激しくぶつかった。その突然のタイミングのよい出来事のおかげで、私はすんでのところでハッと目を覚まし、ハンドルを切って海の方向へ進んでいた車を正しい車線へと戻した。そしてフロントガラスについた25セント硬貨くらいの大きさの黒い溶岩のようなものが何なのかを確認しようと、車を端に寄せて停めた。それこそが、まさしく私の命を救ってくれたものだった。だがこびりついた塊はこすり落とすことができず、何だかわからなかった。当時、私は誰にもこの話をしなかった。正直なところ、誰も信じないと思ったのだ。

ともあれ少ししてからカヌービーチで私の歓送会が企画され、地元の人たちがヨーロッパ旅行への出発を祝してパーティを開いてくれた。

まさに日が暮れようとした時、1羽のコミミズクが私たちの上で輪を描くようにして飛んだ。地元の人たちは大喜びで、これは幸運のしるしだ、君はきっといつかこの島に帰ってくるに違いない、と言うのだった。

さて、1988年のこと、私はカリフォルニアで開発業者と意気投合し、偶然マウイ島で行われる2件のホテル開発の案件に携わることになって、新しいリゾートの設計をするために島へ帰ってくることになったのだった。プエオが私の暮らしの中に入ってきたのはその時だった。私が話すことのできるプエオ絡みの物語や事件は、両手の指では数え切れないほどある。要するに、プエオは私のアマクアになってくれたのだった。

1999年の冬になって初めて、私はジープでの体験を他人に話した。マウイ南岸にレストランを兼ねたギャラリーを開くことになり、ハワイの伝統との調和を図るため、現地のカフナの世話人に開店を祝う儀式をしてくれないかと頼んであった。依頼したのは単なる通り一遍のカフナではなく、ハワイ国家の精神的先導者であるチャーリー・マクスウェル大兄、つまり「大カフナ」だった。儀式のあと私はチャーリー大兄を彼のバンまで送り、1984年のあの夜の出来事のことを話した。すると彼は私を見つめ、一言こう言った。「プエオじゃよ」。それから「プエオは火の神ペレの遣いなのじゃ。やつはその夜、融けた溶岩を君の方に投げてよこしたに違いない。アマクアの仕業じゃよ。我々を守ってくれとる」と。

その時、すべてが明らかになった。このフクロウがなぜいつも私の人生の節目の決定的な瞬間に現れるのかが。大兄がプエオだと言った時、私がどう思ったかを想像してみてほしい。そしてフクロウとそのパワーがどれほど私の命の力になったかを、ぜひとも思い描いてみてほしい。

出典: http://www.owlpages.com

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