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2009年2月20日 (金)

アメリカのフクロウ・ウォッチャー事情

今日はシアトル・タイムズからフクロウ・ウォッチャーの最新事情です。ちょっと長文です。

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早朝の寒さ暗さもフクロウが見られるなら何のその


キャスリン・トゥルー

 

ジェイミー・アッカー氏が根っからのフクロウ好きになったわけ

 

米海軍の潜水艦将校を長年務めて退職したことで、その昔からのベインブリッジ・アイランド在住者は、目を空に向けるきっかけをつかんだ。鳥に対する興味はオハイオ州の幼稚園に通っていた頃、好奇心旺盛な彼の心をつかんで離さない関心時だったが、その情熱が再び燃え盛ったのも無理からぬことだった。しかし彼は高校教師としてフルタイムで働いていたし、家には子供が2人いたので、バードウォッチングをする時間は早朝の3時から6時までの時間帯しか残されていなかった。「だから見られる鳥の種類は自然と限られていたんです」とご本人。

1994年のこと、彼はある友人にアメリカキンメフクロウ(Northern saw-whet owl)を見に連れていってもらった。それがフクロウを見た最初だった。彼はこの身長7から8センチ、体重5.5オンスというかわいらしいフクロウを評して「めちゃくちゃかわいいというだけじゃないんです。とてもたくさんいて、しかも声をかけると返事をするんですよ」という。

「今がフクロウのベスト・シーズンです」と話すアッカー氏はこの週末、読者の皆さんが寝ているあいだも、暗視単眼鏡で木々のあいだをしげしげと眺めている。フクロウは1月から2月のあいだにテリトリーの形成や番う相手探し、求愛行動を始める。ワシミミズクは現在すでに抱卵期に入っており、アメリカフクロウ(Barred owl)も2月初めには営巣を始める。

 

聴覚でフクロウ探し

 

ほとんど昼間しか生活しない人が早朝の森の厳かな静寂を知ったら、それは驚くだろう、とアッカー氏は話す。探されている鳥たちにとってそうであるように、彼がフクロウを探すための一番の道具は、自分の耳だ。

「フクロウ探しの半分は聴覚が担っています。フクロウは飛ぶ時に音を立てないという思い違いがあるようですが、着地する時には必ず音がします。木の枝は湿っていることが多く、フクロウが止まると滴が流れ落ちる音がするんです」と同氏。

在野の鳥の専門家であり、鳥へのバンディングのライセンスを持つ同氏は、1996年以降ベインブリッジのフクロウの生息数を調査している。テリトリーの範囲や生息数、生息分布の調査のため、アメリカフクロウとアメリカキンメフクロウに脚環をつけて放す。この季節には最大で5種のフクロウが見られるという。ワシミミズク、メンフクロウ、アメリカフクロウ、ニシアメリカオオコノハズク(Western screech owl)、アメリカキンメフクロウの5種だ。

趣味で始めたフクロウ・ウォッチングだが、輝かしい発見にもつながった。フクロウの生息状況に過去12年間、ある傾向が見られるというのだ。東海岸を生息地とするアメリカフクロウが少しずつ生息地を西へと広げてきているという事実のことである。ベインブリッジで初めて個体の目撃報告があったのが1992年のことで、さらに2008年のオーデュボン協会クリスマス・バード・カウントで同氏は86羽を確認している。

「浸透率はどのくらいかとよく聞かれますが、今のところまだわかりません」と同氏。同じ場所に営巣を続けている個体があるが、新しく来た別の個体がすぐ近くに営巣するので、テリトリーはかなり狭いという。彼は状況証拠にすぎないと強調しながらも、アメリカフクロウの増加がニシアメリカオオコノハズクの減少に何らかの形で影響するかもしれないことを気にかけている。オオコノハズクのつがいは12年前には12組いたが、このところクリスマス・バード・カウントでは1羽も発見されていないという。

「フクロウの調査に携わっている人たちのあいだではよく知られた傾向です。そのうちどこへ行っても見られなくなってなくなりそうなので、絶滅危惧種に指定されています」と同氏。「私から見ると生息数は激減しています。観察と保護が必要な種類ですね」

 

すばらしい適応を遂げた捕食者

 

エンジニアとしての教育を受けた経験のあるアッカー氏は、フクロウを夜に狩りをする鳥へと適応させた独自の能力に魅力を感じている。

「足に生えた鉤爪や飛行の際の視界の確保方法など、夜に適応するためのおもしろい性質がたくさんあります。種として成功するために視覚や聴覚を進化させてきた過程は実に興味深いものがありますね」

例えば人間の耳は顔の左右対称の位置についているが、ほとんどのフクロウは左右で違う位置についている。すばらしい正確さで獲物を狙うことができるのはそのためだ。

この夜行性の鳥を見たいと思った方は、フクロウ・ウォッチング経験者と一緒に行かれるのがおすすめだそうだ。シアトル市公園課提供の旅程(「行かれる方は」を参照)か、シアトル・オーデュボン協会の資料をご覧いただきたい。あるいはTweetersのウェブサイト(www.scn.org/earth/tweeters)で別の探鳥家を探すのもよいだろう。

アッカー氏によると、録音テープでフクロウの鳴き声を流すと、フクロウはそれに応えて出てくるものらしい。

「フクロウたちは自分のテリトリーや番い相手に対する脅威だと感じたものに反応する性質があります。ただし私は同じ鳥を2週間続けてだますようなことはないようにしています」

同氏は9月末や2月のアメリカキンメフクロウの渡りの時期には、日中の用事に集中できなくなるほどだという。授業にきた時にいかにも朝帰りという顔をしているので、生徒たちは先生をとんでもない飲み助だと思っているそうだ。

「生徒たちには、睡眠不足は死んでから穴埋めすると言ってあります」と同氏。「世界が寝ているあいだも起こり続けていることが、たくさんありすぎるんですよ」

出典: http://seattletimes.nwsource.com  2009年1月29日

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