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2009年2月25日 (水)

シロフクロウは海鳥?

今回もシロフクロウの話題ですが、少し捉える角度が違い、そこが面白そうです。

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シロフクロウは海鳥?


人工衛星を用いた野生動物の研究によって、シロフクロウの極北環境への適応の仕方を根本から考え直す必要が出てくるかもしれない。

「私たちが人工衛星を使った研究で追跡したメスの成鳥のうち6羽が、なんと昨年の冬のほとんどを北極海のはるか沖合に浮かぶ氷の上で過ごしていたのです」と話すのはラバル大学の博士課程に在籍するジャン-フランソワ・テリアン氏。国際極年(IPY)の調査プロジェクトの一環として、カナダの極北環境の主な環境指標種の生態をよりよく理解するために、ジル・ゴーティエ教授と共同研究を行っている。

生物学者たちは上記の発見にかなり驚いており、それならイヌイットのアザラシ・ハンターが冬の暗闇の中で氷山の上にいる白くて大きい鳥に出会ったことがあるかどうかを、ぜひ聞いてみたいと思っているようだ。

「その鳥がそこで何をしていたかというと、おそらく海鳥をねらっていたのでしょう。海辺で鳥の調査を行った研究者が、シロフクロウが冬にケワタガモを襲っているところを見たと言っています。私たちが追跡したシロフクロウたちのいた位置と、他の衛星でとらえた氷の浮かぶ何もない海の位置とを照合してみれば、この仮説は説得力が増すはずです」とゴーティエ教授は話す。

調査に携わった人々は、この極北の猛禽が、同じく極北の哺乳類であるシロクマと同様、海洋環境の一翼を担っているという事実に、不思議な感懐をいだいている。この発見がシロフクロウという種にとってもつ意味は、今週水曜にケベック市で開かれる北極圏の気候変動に関する国際会議で、テリアン氏が明らかにする予定だ。同会議は北極の直面する問題を扱う史上最大規模の国際調査報告会議である。バフィン島の北にあるバイロット島の巣で脚環をはめられた1羽の鳥がどれほど遠くまで飛んでいったかは、驚き以外の何物でもない、と同氏は話す。

「人工衛星のデータを見ると、シロフクロウが移動した距離が一目でわかります。ものすごい距離です。あるフクロウはエルスミア島まで行っていますし、別の1羽はまっすぐノースダコタ州まで飛んでいっています。さらにもう1羽はニューファンドランド島の東端に落ち着きました」

調査に携わった人の話では、今年の冬はカナダ南部でこのすばらしい鳥を目にする機会が例年より多そうだという。ゴーティエ教授はそれについて、「去年の夏は、私たちの研究エリアの中ではレミングの生息数がここ数年来でいちばん多かったんです。フクロウにとってはきわめてヒナを育てやすい環境なので、仲間内では今年の冬は幼鳥の拡散が相当広い範囲に及びそうだと予想していました」と述べている。

しかも実際に新聞の報道や自然愛好家からの目撃情報が多数にのぼっているところを見ると、その予想はどうやら既に現実のものとなっているようだ。ちなみに、もしシロフクロウを空港に近づけないようにするうまい方法を知っている人がいたら、それがどんなものか聞いてみたいという空港関係者が少なくとも1人はいるだろう。ドーバルにあるモントリオール・トルドー国際空港でシロフクロウが飛行機に衝突したというニュースが1件、今年既に報じられている。

IPYや自然科学工学研究評議会(NSERC)からの援助や衛星技術の進歩のおかげで、この極北の鳥に対する我々の理解にはまちがいなく革新がもたらされるでしょう」とゴーティエ教授。だが2人によれば、その知識はすぐにでも手に入るというものではなさそうだ。

ジャン-フランソワ・テリアン氏の講演、「シロフクロウの増殖と長距離移動について-シロフクロウは気候変動に弱い最上位捕食者か」は、1210日にケベック市で開催される北極圏の気候変動に関する国際会議で行われる。同氏はNSERC極北インターンシップを受けて研究を行っており、同研究はラベル大学の学外を拠点とするNSERC IPY Arctic WOLVESプロジェクトの一部でもあった。Arctic WOLVESとは脆弱環境関連極北野生動物観測所の主催するプロジェクトである。

出典: http://www.sciencedaily.com  2008年12月10日

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